1890年、トルコ(当時のオスマン帝国)の軍艦・エルトゥールル号は、親善使節団として日本を訪れていました。しかし、いよいよ日本を離れるというあたりになって、日本には台風が襲来。日本人は出発を遅らせるよう勧めましたが、諸々の事情から、エルトゥールル号は先を急いで出港することとなりました。
しかし、やはり事件は起きてしまいます。暴風雨にさらされたエルトゥールル号は、現在の和歌山県串本(くしもと)町にあたる紀伊大島の樫野埼(かしのざき)沖で岩石と衝突し、沈没。500名以上の犠牲者を出す事態となりました。
大島村(現在の串本町)民は、総出でこの救出に当たり、自分たちのなけなしの食料や衣類を分け与えたそうです。その必死の救助活動や、日本政府の尽力の様子は本国まで伝えられ、当時オスマン帝国の人々は、遠い異国である日本と日本人に対して、好印象を抱いたといわれています。
この話は2015年12月にトルコとの合作で映画化されました。映画「海難1890」の舞台ともなったこの場所にはいま、この事件をきっかけとした日本とトルコの友好の証として、トルコ記念館が建っています。